支援について

福祉の現場から、自殺する人を減らせたらいいな

自殺について、看護師の国家試験の勉強でかなり衝撃を受けたことを、今でも思い出す
この国15〜39歳の死因の1位が「自殺」だったこと

身体的な病気や歳をとって、身体が「もう生きられないですわ」ってなって亡くなるのが
すべての生き物の自然な死に方なのだと思う

若くして亡くなるのは悲しいことだけど
身体的な病気で亡くなってしまうのであれば、悔しいことだけど、理解することはできる

だけど、若くして亡くなる理由の1位が自殺なんて、それはあまりにも悲しすぎるなって思った

そんな社会を少しでもいい方向に変えられたらいいなって思ったのも
精神科病院で働こうと思った理由の1つです

全体の自殺者数は減少傾向にあるみたいだけど
未だに自殺は日本が抱える大きな問題ですね

今日は触れにくい話題だけど、自殺について書いていきたいと思います

 

 

小中高生の自殺者数が過去最多に

 

令和2年の小中高生の自殺者数が過去最多になってしまったようですね。499人の自殺者数。
令和3年も過去2番目で473人の自殺者数。

https://www.mhlw.go.jp/stf/jisatsutaisaku_press220810.html

厚労省は、若者の自殺防止を強化すると発表
年間で500人近い、未来ある子たちが自殺するなんて、改めて悲しい事実だなって思う

今の子どもたちは、生きることに希望が見出せないのでしょう
もちろん、イキイキしている子もいるだろうし「今の子たち」と一括りにまとめてこの問題を考えるのは、違うかもしれませんが

どちらにせよ、この数が示すように、閉塞的な世の中になっているのは間違いないのでしょう

昔みたいに、ネットがあるから別の世界の人とも繋がりやすいと言っても
ネットを使いこなせる子なんて限られているのでしょう
ネット使ったとしても、学校の友達同士のSNSとか、そういう使い方するのが多いんじゃないかなって思う

学校の中の同調圧力が家に帰ってからも続くのは、精神衛生的にも良くないですね

ネットだけが自殺者数の増加の原因ではないと思うけど
便利で情報の多い世の中になりすぎたことで、逆に生きにくくなってしまった子がいるのも確かだと思う

 

生きるのが辛い人たち

精神科病院に勤めている時は、担当の患者さんが自殺することもあったし
生前の入院中にそういう人たちの話を聴いていると
確かに生に対して希望を持つのは、難しいのかなって思ったりもした

虐待されてたり、虐められてたり、セクシャルマイノリティだったり、
賢い人が徳する世の中で、軽度で外見上分かりにくい知的障害持ってる人とか

そういう人は「生きにくいよなぁ」って思う

だから
「これ以上生きて、ずっと苦しい思いをするのであれば、もう終わりにしてしまおう」
そんな風に思ってしまうこと自体には、絶対に賛成はしないけど
頭ごなしに否定できないことも知っているつもり

過去の辛い体験に縛られて「存在してるだけでも辛い」
そんなことも患者さんに言われたことがある
自分を肯定できずに、生きているだけで辛いなんて、考えただけで嫌になる

漠然と生きていた世の中で、そんな人がいること、そしてその数は自分が思っていた以上に多かったこと
精神科医療の世界に入って、その事実を知って、かなり衝撃を受けた

 

自殺は寿命なのか

例えば、こんな言葉を掛けたりもできるわけじゃないですか

自殺しなくても、生に対して希望を持てずに生きてる人も、きっと大勢いて
そういう人が、何かの偶然で「生きることの意味」を見つけることはあると思います

そして「生きることの意味」を見つけられれば、人生は光り輝くものになるとおもいます。
そうすれば、死ぬ時になって「生きててよかったなぁ」って思えるかもしれませんよ

「生きることの意味」を見つけられるのは
やっぱり生きていればこそです

死んでしまったら「生きることの意味」を見つけることすらできません

だから、今は辛いかもしれないけど、生きていきましょう

決して間違った言葉じゃないし、医療や福祉に携わる人が掛けるべき言葉だと思う

確かにこういう言葉は医療や福祉の現場にありふれている
それでも、自殺してしまう人は自殺してしまう

存在しているだけでも辛いらしいから、きっとどんな言葉も響かないんでしょうね

そんな辛い人生なのであれば
癌とか、そういった理由で死ぬのと同じように
自殺も一種の寿命なのかもしれないと思ってしまうこともある

 

生きるのに、大それた理由なんてなくていい

自分の生きる理由ってなんだろうなって振り返ってみた

個人的には

キングダムっていうヤンジャンに掲載中の漫画を読むのが楽しみだったり

原田マハさんの新しい小説が読めるのが楽しみだったり

サントリーの新しいビールが美味かったり

こうやってダラダラ文章書いてるのも、それはそれで楽しかったり

大それた生きている理由なんて、ないもんだなって思いました笑

でもまぁ、そんなもんなんだって思う

大それたことなんてしなくていいし
日々のちょっとしたことに、楽しみが見つけられたらいいんじゃないかなぁって思う

どうせいつか終わる命

小中高生の自殺者が500人近いってのは、やっぱり良くないですね
まぁそんなことを言ったって、救えるのは目の前にいる人だけだし
いや、目の前にいる人すら、救えない現実も見てきたけど

厚労省はポスターとかYouTubeで自殺防止を発信しているようですね
少しでも、広まってくれればいいなって思う

どうせいつか終わりが来る命
自分で終わらせてしまう人が、1人でも少なくなりますように

うん、きっと、自殺は寿命じゃない
それを認めてしまったら、自分が福祉の仕事をしている意味が、亡くなってしまう

自分に何が出来るかは分からないけど、福祉の仕事をしながら
自殺してしまう人が1人でも少なくなる社会を、作っていけたらなぁって思う
そんなことを思った、今回の厚労省の啓発なのでした。

厚生労働省より