支援について

自分を大切にできない アダルトチャイルドについて

 

「自分を大切にする」
それを実践するのは、口で言うほど簡単じゃないと思う
そもそも、自分をどうやって大切にしたらいいか、それすら分からない人が多いと思う

 

自分を大切に出来ない人
そんな人はもしかしたら「アダルトチャイルド」かもしれません

今日は、「アダルトチャイルド」について、書いていきたいと思います

 

 

親に抑圧される人たち

病院でも福祉の現場でも、対象の家族も含めたカンファレンスをすることは多々あり
そんな中で
「この親御さんに育てられたら、自分を大切にする考えを持つのは難しいよな(汗)」
ってケースを多々見てきました

 

本人が話す前に、親がしゃしゃり出て話を進めたがったり

しかもその話も、明らかに親の決めつけで話していたり

挙句の果てには、そんな環境で精神を病んでしまった子供に対して「甘えているだけ」という言葉を投げてしまったり

 

子育てって難しいと思うから、子供とうまく関われない親を否定する訳ではないし
「毒親」って言葉も「親ガチャ失敗」って言葉も私個人としてはあまり好きではありません
それらの言葉は、対象者の被害者意識を強めて、前に進む力を削いでしまう言葉だと思います。

だけど実際問題、育ってきた環境に苦しめられて
「こんな思いするなら、生まれてこなきゃ良かった」なんて言葉も聞いてきました。

めちゃくちゃ悲しい言葉だと思うし、そんな言葉を言って欲しくないけど
子供の時から親の言動に苦しめられて、挙句の果てには「甘えてるだけ」って言われて、、

そんな環境で育ったら、生きることに対して否定的になってしまうのも、仕方ないかなって思います

アダルト・チャイルドが自分と向き合う本

そんな人たちと、どうやって関わっていけばいいかなって悩んでいた時に
「アダルト・チャイルドが自分と向き合う本」という本に出会いました

現場で漠然と感じていたことが、本の中で言語化してあって、とてもためになりました

「アダルトチャイルド」とはどういうものなのか、自分の理解を深めるためにも、紹介させてください

アダルトチャイルドとは

アダルトチャイルドとは
「問題を抱える親を持ち、子ども時代に子どもの役割以上の責任を感じて育った人」

例えば

優等生
いい子でいないと自分は評価されないと頑張り続ける子ども

道化師
おどけた態度で可愛い仕草で家族の緊張をやわらげ、争いが起こるのを回避しよう、みんなに笑ってもらおうと、いつも気を配っている子ども

ケアテイカー
何かとトラブルの多い家庭の中で、自分のことはいつも後回しで、ひたすら周囲の役に立とうとする子ども

心当たりある人もいるかもしれませんね

素直に感情が出せない人
嫌なのにNOと言えない人
リラックスして楽しめない人
相手のために犠牲になってしまう人
苦しくても助けてと言えない人

まさしく、そんな「アダルトチャイルド」な人たちが、精神科医療や福祉の現場には多いものです

辛いよなって思います
他人優先の生き方が板について
見えない鎖で繋がれて
いつしか自分の人生を生きられなくなった人たち

そんな生き方が板に付いちゃったら、自分を大切にすることなんて全くできなくて
リラックスするために、どっかに出かけてみても
自分を苦しめる考え方から逃れることができなくて
生きているだけで辛くなって、自傷行為に走っちゃったりする人も、たくさん見てきました

 

自分を大切にするためのワーク

辛い人生を歩む、アダルトチャイルドな人たち。
少しでも生きやすくなるたのワークがあるので紹介します

以下のことを想像してください

暖かい陽だまりの中で、あなたは子供時代に住んでいた家に向かっています。
家の玄関に着くと、そこには子供のあなた自身が、大人になったあなたを見つめて立っていました。
子供の自分に向かって、あなたは語りかけます。
どんな言葉を、あなたは語りかけますか?

どんな言葉をかけるでしょうか。
辛くて誰にも頼れなかった子供時代
大人になったあなたが
「よく頑張ったね、もう休んでいいんだよ」
そんな、暖かい言葉をかけてあげてください

そうすれば、ずっと生きにくい生き方を選択していた自分自身を許して
少しずつだけど、自分を大切にしていくことが出来ます
眠る前や、不安が高まった時に、このワークを行うことをお勧めします

子ども時代に足に巻かれた鎖で
自分をこれ以上苦しめる必要はないから
アダルトチャイルドで今も辛い思いをしている人は
自分で自分を大切にしてもらいたいです

これからの人生

育ってきた環境は最悪だったかもしれないし
本来なら1番頼れる存在の親に、何度も自分を否定されるのはめちゃくちゃ辛かったことだと思います。

だけど、子供時代に繋がれた鎖にずっと縛られる必要はないから
「アダルトチャイルド」だったとしても
自分で自分を大切にして、自分の人生を歩んでいって欲しいと思うのです

ちなみにアダルトチャイルドは病名でもなければ、人格の欠落でもありません
自分がそうだと思えばアダルトチャイルドなのです

まだまだ暑いけど、少しずつ秋の匂いも感じる今日この頃🍂

少しでも生きやすい人が増える世の中になりますように

福祉の仕事に携わりながら
そんな世の中になるように
少しだけでも貢献していきたいと思います